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変わらぬ日常

昨日言ったとおり紫SS完成!
約束は必ず守る男!それがドルルン!
ぶっちゃけ途中で挫折しそうになったのは秘密!
今回は純粋な気分で書いてみました。
やっぱりゆかりんはかわいいですよねー

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かび臭い香りとむわっとした空気が店内に渦巻く夏の香霖堂。
普通の人間が入れば、そのよどんだ空気とあまりな惨状に目を覆ってしまうほど様々な道具がゴミのようにあふれた店内。
そんな所で平気そうに本を読んでるのは店主の森近 霖之助。
時折、艶かしい汗首筋を伝って服を汚すが本人は全く意に介さずただ黙々と本を読み続けていた。
それは霖之助にとっていつもと変わらぬ日常であった。





――カランカラン

そんな日常を崩壊させる音が店内に響く。
客が来たからには対応しなければいけないのが店を開いている者の定め。
動かなかったせいで硬くなった体をほぐしつつ、入ってきた人物に声をかける。
「君が入口から入ってくるなんて珍しいじゃないか」
「たまには趣向を凝らすより素朴なのもいいと思いません?」
入ってきた人物八雲 紫は少し首をかしげ、見た目同様の少女らしい仕草で聞き返してきた。
見た目少女な紫だが、実際はかなりの年を経た大妖怪だ。人間…否、妖怪を見た目で判断してはいけない典型的な例だろう。
ちなみに霖之助にとって紫という妖怪は苦手な妖怪に分類される。
「で、本日は何をご入用で?」
そのため霖之助は用件だけすまさせてさっさとお帰り願おうと考えたのだが。
「残念ながら今日は暇つぶしですわ」
底の見えない笑顔でそう切り返された。
だったら出て行け、などといっても聞かないことは目に見えているため霖之助は「はぁ」と深々と溜息を吐きだした。
「だったらそこらでくつろぐといい」
それだけ言って、よく香霖堂にやってくる常連の片割れの魔法使いの定位置の壺辺りを指差す。
「わかったわ」
紫は少し嬉しそうに指さしたあたりぴょこぴょこと歩いていく。
それを見て安心した霖之助は早々に読みかけだった本に手を伸ばす。
しかし、伸ばした手は本を触らずに小さく細い手を掴まれその進行を止めざる負えなかった。
「暇つぶしに来たというのに暇で暇でしょうがないの」
霖之助の手を掴んでる犯人はにっこりとした笑顔を浮かべていた。
さっきまで指をさしていた方に向かっていたのにいつの間に、とかまだ君が来てからそんなに時間がたってないじゃないか、などと霖之助は思ったがこの妖怪だから仕方がない、と納得して口に出すことはしなかった。
だったら帰ってくれ、という言葉を口に出そうと思ったがやはり効果がないだろうとこれも口に出すことはなかった。
「そうか、だけど僕は忙しいんだ。邪魔しないでくれないか?」
「嫌ですわ」
新たな言葉も効果がないことを知ると溜息を吐きつつ、つかまれていない方の腕をのばして本をとりそのまま読み始めた。
どうやら気にしないことにしたようだ。
だから紫に掴まれてる腕もそのままに本を読み始めるのであった。

――ペラリペラリ

――パクッはむはむ

「何をやってるんだ?」
紫の突然の行動に本を読む手をやめずに問いただす。
「何って…耳を噛んでるのよ?」
霖之助は行動理由を問いただしたのだが期待していた回答は得られなかった。
いつの間にか腕の拘束はをやめて、背後から耳を甘噛みしていた。
霖之助にとっては気分がいいものではないが、本を読む行為に対して実害がないためほおっておくことにした。

――はむはむ

――ペラリペラリ

「ねぇ、構ってくださらないかしら?」
ひょこりと霖之助の本の間を紫の頭がさえぎった。
その顔を少し不機嫌に頬を膨らませながら霖之助の瞳を見つめていた。
「僕は本を読むので忙しいと言ったはずなんだが…」
聞いていなかったのか?とでも言いたげな目で紫の瞳を見つめ返…さずに腕を少し動かして紫の頭の後ろにある本を読み始める。
その行動が紫の怒りをさらに買い、頬を膨らませた顔が真っ赤に染まる。
「そんなことを言うんだったらこっちだって!」
「そんなことより早くど…」
霖之助の言葉は口元弱らかい感触によって途中で中断させられた。
眼前には目を瞑った紫の顔が視界いっぱいに広がっている。
冷静に状況判断をすることもできず、ただうろたえることしかできなかった。

――コトン

手に持っていた本が落ちた音が店内に響く、その音で我に返った霖之助はあわてて立ち上がり状況を整理しようと周りを見渡した。
「…どこ行ったんだ?」
否まるでさっきまでが夢であったとでもいうように何事もない店内。
ただ違うのは唇に残る柔らかい感触だけであった。
「…きっと気紛れだろう」
そう結論付けた霖之助は落ちた本を拾い上げ、紫が来店する前の日常へと戻る。
再び本を読み始めるがその手が無意識に紫と触れ合った唇へ伸びていった。
そのことに本を読んでいる霖之助が気づくことはなかった。












「うわ~ん、いきなりキスしちゃったわ~!絶対拒絶される~!もう香霖堂に行けないわぁ~!」
布団の中で顔を真っ赤に染めながら布団の中でもがく紫。
そんな彼女の式神八雲 藍はうんうん唸っている主を一瞥して溜息を吐く。
「ま~た病気が始まった」
そして藍の式神の橙は主の主を心配げに見守っている。
「だ、大丈夫ですか?紫様」
「うわ~ん!」
マヨイガはいつもと変わらず平和であった。
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