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それはほんとに草薙か?

漫画肉っておいしそうだよね…
あの骨がついてガブリと噛み付くやつ。
いつも見ていてうまそうでうまそうで…


それは置いといてできました。リク第二弾!


<それはほんとに草薙か?>


ゲストとして早苗さんが出てきます。
では、どうぞ~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その日の香霖堂はいつにもまして平和であった。

「代金はこれくらいですか?」
財布から、いくつかの銅貨を取り出して霖之助の手に乗せる。
東風谷 早苗は作ってもらった御祓い棒を一振りし
「…持ちやすいどころか霊力も通しやすくなってますね」
さすがです、と満足げに霖之助に笑いかけた。
「そう言ってくれると、作った甲斐があったといえるよ」
お礼だけ言って代金も払わず、さっさと帰ってしまう紅白の巫女を思い浮かべながら霖之助は笑う。
「まぁとりあえず、お茶でもどうだい?」
「ありがとうございます」
外の世界から来た早苗は霖之助にとって貴重な客だ。
彼が務めるこの店 香霖堂は、外の世界のマジックアイテムがそこらじゅうに転がっている。
彼の能力で名前と用途は解るのだが、肝心の使い方がわからないためゴミと変わらない物が多い。
しかし、早苗は外の世界から来た人物。わからなかった使い方を教えてくれる貴重な存在だ。
まぁ他にも、外の世界から来たばかりのせいか相場にあまり詳しくないようで、あらゆるものを割増しで売りつけやすい、といった意味でも貴重な客と言えるだろう。
「はい、どうぞ」
「わぁ、いい香りですね」
そういった理由で、珍しく霖之助はもてなすのであった。




「そういえば霖之助さん」
「なんだい?」
「その剣、いったいなんですか?」
早苗が指さす方向には、手入れをしている最中の剣が大切に置かれていた。
「この剣がどうかしたのか?」
霖之助は何でもないように聞き返し。
「いえ、いつも不思議な霊力がその剣から伝わっているので…」
少し不思議だなぁって、そこまで言ってからごまかすように笑いとばす。
「ふむ、不思議な霊力ね」
霖之助は考える。
彼女にこの剣の正体を教えるべきか否か。
教えなければ彼女は疑問に思って他の者に話すかもしれない。
もしそれが、黒白の魔法使いや里の半獣ならば大変だ。
せっかく、この二人が来ない時間を見測って剣の手入れをしていた努力が水の泡になる。
逆に、教えて釘をさしておけば彼女の性格上他の者に話すことはないだろう。
そこまで考えて、彼は
「この剣はね草薙の剣というんだよ」
「草薙の剣?」
彼女に話すことに決めたのであった。




「草薙の剣って、ヤマトタケルノミコトのですか?」
「ああ、タケルがヤマトヒメノミコトから賜ったとされる神剣さ」
そういうと、霖之助は自慢げに草薙の剣を手に取った。
「それ、偽物ですよ」
何の疑問もなく早苗はそう答えた。
「それはどうして?」
偽物だと言ったのに気にもとめない霖之助に眉をひそめながも早苗はその疑問に答えた。
「本物は熱田神宮に今でも保管されてると聞きますから」
その答えを聞いた霖之助は苦笑した。
その行動が癪に障ったのか、彼女は不機嫌そうに顔を歪める。
「ああ、君のいうとおり本物の草薙の剣は熱田神宮に保管されてるのだろうね」
「なら、それは偽…」
そこまで言ってから手で制された。
「確かに草薙の剣は保管されてるだろう、しかしそれはこの草薙の剣なのかな?」
「はい?」
突拍子もないことを言う霖之助に早苗は思わず眼を丸くした。
「ここには神剣としての草薙の剣がある。意味はわかるかい?」
「い、いえ?」
「なら聞き方を変えよう、外の世界の人間は天を切り裂くような神剣を草薙の剣として見ていたかい?」
「え、え~と…」
「おそらく、当時としてよく切れた剣としての認識しかなかったんだろうね」
「はい…」
「それがこの神剣としての草薙の剣を幻想たらしめた原因だよ」
そこまで一気にまくし立てて満足したのか、霖之助は湯呑のお茶を一つ啜った。
「まぁ、神剣としての草薙の剣ではあるが信仰としての草薙の剣ではないけどね」
「え、信仰としてはって」
「今も熱田神宮に保管されてるのが信仰としての草薙の剣。歴史に出たよく切れる剣、それを使ってタケルが英雄になったとされる剣はこの神剣としての草薙の剣ではないということだよ」
納得してないのか首を傾げる早苗。
それを見た霖之助はため息吐きつつまとめてやる。
「つまり、人々の思いが集まってできた草薙の剣はいまだに外の世界にあり、当時神剣として名をもった剣が今ここにある草薙の剣というわけさ」
早苗はそこまで言ってようやく理解したのか、なるほど、と首を縦に振りだした。
「でも、それだと草薙の剣は二つあることになるんじゃないですか?」
と、思い当った疑問を口にする。
「ああ、名前や思い、ようは信仰が力を持つのは巫女である君自身が一番よく知っていることだろ?」
「なるほど、よくわかりました!」
そういって早苗は満面の笑みをその口元に浮かべた。




「ちなみに、この話は他の人に話してはいけないよ」
「え、なんでですか?」
最後の最後に釘をさすのを忘れない霖之助。
素直にそれを疑問でかえす早苗。
「もしも他の人に知られたら、家によく来る黒白鼠がどこからか噂をかぎつけてくるかもしれないからね。君を信頼しての話だからね」
霖之助にとっての本当の理由は違うのだが、あえて話してやる義理もない、と嘘をつく。
「白黒鼠ですか」
「ああ、白黒ね」
お互いの苦笑が店内に木霊する。
「じゃあ、また面白い話してくださいね」
「ああ、またのいらっしゃい」
カランカラン、と乾いたベルの音が店内に響き渡った
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