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捜索依頼に貸し一つ

というわけでパチュ霖が完成いたしましたー。
なんかリクで香魔館の方々もだしてとか言われてましたが…申し訳ない…
あとなんだか長くなってしまった…


<捜索依頼に貸し一つ>

続きからでどうぞ~

よし、次のリクSSと拍手SSの制作に移るか…

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―トントントン

日も沈み切り、満天の星空と、怪しく輝く月光が支配する妖の時。
香霖堂の扉はそんな時間に鳴きだした。人や妖精は床の間つき、店主たる霖之助も睡眠という欲求を満たすための時間にである。
扉を鳴かせたのは人のことを考えない自由奔放な妖怪か、はたまた夜が活動の時間である悪魔の使いなのか。
扉の向こうの犯人を予想しつつ、ゆっくりと扉を開けた。
「空いているよ。こんな夜更けになんのよう…」
霖之助の言葉が途中で止まる。
それは予想した犯人像に似ても似つかない魔法使いがいたためだ。
ぺたりと地面に大の字で倒れ、こひゅーこひゅーと危ない息遣いで真っ青な顔をしている魔法使いがだ。
しかし、それは真っ青な顔をしつつも必死な形相で何かを伝えようとぼそぼそと呟いているようであった。
呪いの言葉か何かなのだろうか。
「ま、魔理沙の家は…ど、どごっ!ごはっ!げほっ…」
そんな魔法使いの必死な言葉も霖之助に伝わることなく、パタリとその場に力尽きることになった。






「…ここはどこかしら?」
意識が戻り、いざ体を起こしてみれば見知らぬ部屋にいる。
喘息の調子が良かったため、魔理沙に奪われた本を取り返すべく紅魔館を飛び出したところまでは覚えていた。
「それで、どうしたんだっけ?」
「僕の店の前で突然倒れたんだよ」
記憶の糸を手繰り寄せている最中に、突如横から声がかけられる。
驚き、思わずそちらの方へ顔を向ければ、さえない男が水の入ったコップを差し出してきた。
「ちなみに僕は霖之助、ここは香霖堂だ」
「ああ、咲夜と魔理沙が言ってた…」
水を受け取りつつパチュリーは道中のことを思い出した。
魔理沙の家を目指してやってきたはいいものの、肝心の魔理沙の家の位置が分からなかったのだ。
そこで魔法の森の入口に立っていた香霖堂に道を聞いてみようと思い、扉を叩いたところで喘息の発作で倒れたのである。
「そうだ、これを飲むと言い」
霖之助は思い出したかのように、近くの戸棚から咳止めとかかれた小さな袋を取り出した。
「これはどういうつもり?」
「飲めば気休めにでもなるだろうと思ってね」
ひょうひょうと答える霖之助にパチュリーはおもわず頭を押さえた。
こいつはわかっててやってるんだろうかと。
「私は風邪じゃなくて喘息よ」
「知ってるよ。喉風邪だったら痰も出るしね」
「…喘息は肺の病気だってことも知ってるわよね」
「まぁね。そんなに詳しくはないけどね」
「だったら。喉が健康なやつに薬を服用させても毒にしかならないということも」
「ああ、もともと薬は毒草を煎じてるやつも多いしね。副作用も侮れないと薬師が言っていたな」
どうやらわかってて、喘息のパチュリーに喉風邪の薬をよこしてきたようだ。
「だったらどうして私に風邪薬なんか飲むように勧めたのかしら?」
「最初に行ったはずだろ?気休めにでもなると思ってと。生憎家には喘息の薬はないんでね。」
怒りという物を通り越してあきれてしまう。
これは気休めどころかたちの悪い冗談なのだろうかと疑ってしまう。
「…咲夜や魔理沙の言っていたとおりね」
めったに外に出ない変なやつ。
そんな認識がパチュリーの中で固まってしまった。






「で、家には何の用だい?まぁ、買い物というわけではなさそうだ」
取り出した風邪薬をしまい、手作りの粥を食べさせてからようやく本題へと入る。
「そうだったわ、魔理沙の家知らないかしら?」
粥の皿を片づけ、興味深そうに香霖堂を見ていたパチュリーが思い出したかのように目的を語る。
何でも図書館にあった大切な本が魔理沙によって強奪されたらしいとのこと。
喘息の調子が良かったため、今日こそ自分で取り返そうと図書館からやってきたはいいものの、途中で道に迷ってタイムングよく喘息も発病。
現在に至るとのことだ。
「用は魔理沙の家に道案内して、さらに本を取り返すのを手伝えと言うことかい?」
「そういうことね」
「断る」
「…そういうと思ったわ」
霖之助が拒絶したというのに至って落ち着いてるパチュリー。
どうやら予想道理の反応であったようだ。
霖之助はその様子に自分の目的も悟られていることを知る。
「…理由は、君に協力したとしても僕に利益がない」
「どうせあなたも魔理沙にいろいろ持ってかれてるんでしょ?だったらこれを機に取り返せばいいじゃないの」
予想通りの展開に霖之助の頬に冷汗が流れる。
ペースは完全に相手に取られてしまった。
「たとえ取り返しても、ここは魔理沙の家に近いからね。すぐに「勝手に私の者を持ってくなんて泥棒だぜ?」なんて言って持ってかれるに決まってる」
「それはご愁傷様。でも困ったわね、今の私じゃ手伝ってもらうための材料がないわ」
霖之助が欲している物がわかっているというのに、白々しく気づかない振りをするパチュリー。
もしここで霖之助がそれを提示すれば状況はますます不利になる。
だからと言ってこのままでは、そのまま帰ってしまう可能性の方が大きい。
今度は魔理沙の家を知っているメイド長の咲夜と一緒に来るだろう。
そうなれば霖之助が目的の物を手に入れることはまずありえなくなってしまう。
「あるじゃないか。君がさっき言っていた図書館の入場および貸し出しの自由にする権利という物が」
だから、ここはあえて提示する。
魔女の知識の宝庫。図書館への出入りと本の貸し出し自由をである。
客として図書館に入れるようになれば、咲夜や妖精メイドに邪魔されずに心行くまで本を楽しめるようになるし、貸出しが自由になれば、見たい本を持って帰り居慣れない図書館ではなく伸び伸びと自室で読むことができる。
「なるほど、貴方は私の図書館を安全に利用したいというわけね」
「ああ、後貸出しについてもね」
「残念ながらそれは認められないわ」
貸出しについてはどうしても無理のようだ。
霖之助は貸出しに見切りをつけ、安全に図書館が利用できるように交渉する。
「ということは出入りの許可は取り付けると言うことだね」
「ええ、あそこにあるマジックアイテムをいくつか譲ってくれたらね」
そういって、パチュリーが指をさす方向にはいろんな物が散乱していた。
具体的に何を、という必要もなかった。
彼女が指さしている棚は、非売品が置いてある棚であるからだ。
「あそこにあるのは非売品だ。売りものなんかじゃあないんでね」
「あら、残念ね。じゃあこの話はなかったことにしようかしらね」
無理やりにでも認めるように促すパチュリー。
しかし、霖之助も黙ってはいない。
彼女に対する隠し玉は一つあるのだから。
「まぁ、仕方ない。諦めるとしよう」
「あら…いいのかしら?」
パチュリーの顔に一瞬、驚きに変わる。
このままマジックアイテムを持って行くつもりであったのだろう。
霖之助は隠し持っていた武器をパチュリーへと向ける。
「しかし、君は僕に貸しがあるからね。それを返してから帰って貰いたいんだけどね」
「え、貸し?」
「そう、倒れていた君を看病して、薬を渡したり、なけなしの食材で君に粥まで作ったという貸しさ」
これが霖之助の武器である。
貸し、言葉での約束事で対して力などないように感じるが、ここ幻想郷に関してはなかなかの力を発揮する。
特にプライドが高かったり力が強い者ほど、借りという物に弱い。
自身のプライドが高いものほど自分の弱いところを見せたくものだし、強い者が借りを破れば自身の名誉に傷がつく。
だからこそ、貸しというのは強い力を持つのだ。
「…貸し、ね。そんな大した借りには見えないわね」
「僕は半妖だといっても人間の気質の方が強くてね。魔女である君を放っておいてもよかったんだけどね」
実際のところ霖之助は、たとえ魔女であっても人間であっても、倒れていたならば助けようするだろう。
そのままほおっておいたまま死なれては自身のの気分が悪いからだ。
それに現在のように相手に貸しを作ることも可能であるためでもあるが。
「今だったらその貸しを図書館の利用だけでいいんだが…」
「…わかったわ」
「よし、じゃあ魔理沙の家に案内しようか」
霖之助自身、貸出しの件は元から諦めていたため早々に契約をする。
こういう時は無理に高望みしない方が利益になることが多いためだ。
「…まぁ、いいか。どうせ滅多に図書館に来ないだろうし」
「まぁ、ここから紅魔館までは遠いしね」
霖之助は基本動かない半妖である。
たとえ権利が手に入ったとしても、早々利用することはないのかもしれない。
そんなことを考えながら二人は重い足取りで魔理沙の家に向かうのであった。





「ここが魔理沙の家だ」
外見だけ見れば案外普通の家であった。
かかっていた鍵を魔法で開けて、中をのぞいてみれば…
「…うわ…」
中は混沌。
香霖堂もたいがい雑多に物であふれてはいたが、ここはそれを上回っていた。
いや、香霖堂は適当に並べられてるように見えてジャンル分けはされていた。
それを考えればここは魔窟以外の何物でもないかもしれない。
「…とりあえず魔理沙が帰ってくる前に君の本を探すかい?」
「…なんだか頭が痛くなってきたわ」
頭を押さえてぼやくパチュリーを霖之助は他人事のように眺める。
事実、他人事なのだろう。
「手伝ってくれないかしら?」
「残念ながら無理だ。どれが君の本なのかわからないからね」
「ま、期待はしてなかったわ」
解っていた答えなだけに幾分かあきらめがつく。
しかし、わかっていたとはいえ、少しは手伝ってくれてもいいだろうと思わないでもなかった。
本を見つけるには夜までかかりそうだ。
あきらめに似た感情を持ちつつ、積まれた魔窟に手を伸ばすのであった。


少女捜索中…


「…もうこんな時間か」
霖之助が置いてあった本から顔をあげ、窓の外を見てみれば日はすでに落ち暗闇があたりを支配していた。
「むきゅ~…」
声のする方を向けば、もはや疲労困憊といった感じでパチュリーは倒れ伏している。
その隣にはかなりの数の魔道書置かれていた。
今まで図書館から持ってかれた分なのだろう。
霖之助の想像をはるかに超える量に少し面を食らった。
「とりあえず今日は家で止まるといい」
霖之助が聞いてみるも返事はない。
仕方がないと嘆息しつつ、パチュリーをその背に背負い、一緒に持ってきた荷車に探しだした本と一緒に載せてやる。
香霖堂で待たせていればいずれ咲夜が迎えに来てくれるだろう。
霖之助はそんな昨日今日香霖堂で泊まることになり、荷台ですやすやと寝息を立てている魔女の横顔を見ながら…

「貸しがまた一つ増えたな」

貸しはどのくらいで請求してやろうかなどと考えていた。








「おい、香霖!この間勝手に私の家に入っただろう!」
勢いよく魔理沙がやってくる。
その顔はニヤニヤと笑っていた。
「なんだ魔理沙か。普段から僕の店に勝手に入ってるのは誰だ?」
「店に客が勝手に入るのは当然だろ?」
「どんな店にも営業時間がある。それも分からないのか?」
「営業時間なんて知らないな。知らない方がいつでも来れるし」
その言葉に霖之助が溜息を吐く。
どこぞのメイド長にも似たようなことを言われたことを思い出したからだ。
どこかあきらめにも脱力感が全身を襲うが気にする暇が今はなかった。
「それより魔理沙、これから店番やってくれないか?」
「なんだ?どこかに用でもあるのか?」
「ちょっと図書館までね」
「…ふぅん、貸しは高くつくぜ。勝手に私の家に入ったのも含めてな」
「わかったわかった」
魔理沙にひらひらと手を振って店を後にする。
図書館はここから遠い。
しかし、遠くにあるものほど期待は膨らんでいく。
それに楽しみなことはもう一つある。
いったいどれだけの量の本があるのだろうかという期待と…

「貸しは何にしてやろうか」

そんなことを思いながら紅魔館にある膨大な図書館を目指して行った。
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