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パーティの片隅のトランプ遊び

ピチューン
妹様に会えないから文花帖に頼ったよ!
というわけでお待たせしてすみません。
リクのフランの話でえす。
なんか無駄に長くなったような…

<パーティの片隅のトランプ遊び>


続きからでどぞー
ピチューン

―――――――――――――――――――――――――――――――――
バイオリンやピアノによる優美な音楽が優しく耳をなでる。
その音に合わせるように妖精メイドが楽しげに踊り、妖怪たちが笑いながら酒を呷る。
笑い、騒ぎ、暴れる輩も、ここ紅魔館が開いたパーティを思い思いにに楽しんでいた。
そんな騒がしい宴会場の隅に、無駄に装飾のされたテーブルに腰掛ける霖之助。行儀の悪いことこの上ない。
「どうしてここにいるんだろうか」
ため息交じりにそんなことを呟くが、答えてくれるものは当然おらず、自分で先日のことを回想するのであった。




その日は平和であった。
客が来店せず、自身の読書を有意義に進めることができていたためだ。
本来ならば、客が来店しないことを嘆くべきなのだが…
そんなことを少しだけ気にしつつ、窓の闇が深くなったことに気づき、もうそろそろ寝ようかと思ったときであった。
「開いてるかしら?」
入口の鈴の音とともに紅魔館のメイドが顔を出した。
「もう夜も遅い、営業時間外だよ」
「店主が起きているならば、十分営業時間だと思います」
「そんなことはどうでもいいわ、今日はあなたに用事よ」
メイドに続いてお嬢様が顔を出し、そのままメイドの前に出る。
「僕にかい?」
「ええ、あなたに。明日私の所でパーティを開くつもりなのよ」
思わぬお誘いが来たものである。
そのお誘いを断ろうかと思ったがやめた。後ろのメイドが銀のナイフをちらつかせたのだ。
目の前のお嬢様は気づいてないようで、胸を張って返答を待っている。
本当によくできたメイドだ、と皮肉を込めて感心した。
「ああ、そのお誘い受けさせてもらうよ」
「だったら明日は絶対に来ること、いいわね」
それだけ言い残して、二人はさっさと出て行った。
明日行かなければ、後日何されるかわかったものではない。
霖之助はそんなことを考え、密かに溜息を吐くのであった。




「霖之助さん、本当にきてたのね」
霖之助は聞き覚えのある声によって、現実に引き戻された。
振り向けば、そこには紅白の巫女が信じられないものでも見たような顔をしていた。
「ああ、霊夢もきてたのか」
「霖之助さん、実は異変とか起きてるんじゃない?」
突拍子のないことを言う霊夢に、霖之助は思わず聞き返す。
「異変が起きる?」
「ええ、普段から誘っても参加しない霖之助さんがこういうのに参加するだなんて、異変以外の何物でもないわ」
「…それは本気で言ってるのか?」
「え、違うの?」
さすがの霖之助も、この反応にはあきれてなにも言えなかった。
まだ訝しげにこちらを見ている霊夢を見て、溜息を吐く。
「参加についてはただの気まぐれだよ。そういう霊夢はどうして参加したんだ?」
「私は最初は断ったんだけど、レミリアが霖之助さんも参加するって聞いてね、異変だと思ったのよ」
「ああ、なるほど」
『ようはこの宴会のお誘いは霊夢を誘うために自分が餌にされた』ことに気づいた霖之助は、ますます陰鬱な気分になった。
「でも、別に異変らしい異変は起こってないみたいね」
「そりゃあよかったね」
霊夢は「それじゃあね」と一言だけ言ってから、パーティの輪の中に入って行った。
霖之助の方はテーブルから降り、そのままホールから出て行く。
もはや役割は果たしたのだ、ならば早々に退場すると言うのが筋である、と自身に言い聞かせながら。




フランドール・スカーレットは暇を持て余していた。
パーティなどに興味はなく、参加しようとは思っていない。
パーティに参加しても、場の空気を乱すだけだからでもある。
それでも一人ぼっちは嫌であった。いろんな者が集まった煌びやかなパーティで、自分だけが取り残されるのが嫌なのだ。
それでも、暇という名の一人ぼっちを少しでも紛らわすために少しだけパーティを覗いてみようとここまで出てきたのである。
「あれ?」
はたと、一人ぼっちで陰気な気配を漂わせた人型が歩いて来ることに気づく。
パーティで失敗した演劇団の人なのかと思い、一人で陰気を漂わせている人型に声をかけて見ることにした。




「ねぇ、そこの青黒」
はて、青黒?などと一瞬疑問に思ったが、自身の服装のことだと気づき、呼んだ本人へと向き直る。
「僕は青黒じゃなくて森近 霖之助だ。そういう君はなんだい?」
七色に光る宝石のついた翼がシャラリと揺れる。
「フランドールよ。人間?」
「半分人間。もしくは半分妖怪だね」
「ふ~ん、どうしてこんなとこにいたの?」
ちょっとした疑問に霖之助は少し考え込んだ。
役割のないパーティに参加するきはない、だからといって店に戻って本を読む気にもなれなかった。
ようは暇であったのだ。
「ちょっと暇を持て余してる所さ」
同じく暇を持て余しているであろう少女にそんなことを言う。
おそらく何かの心境に変化だったのだろう。
霖之助の記憶のどこかに、何か引っかかる物があったが、たいして気にすることはなかった。
「…だったら私と一緒に遊んでくれるかしら?」
だからそんな誘いに。
「わかったよ。何して遊ぶんだい?」
やすやすと乗ってしまったのであった。
「弾幕ごっこ」
そこで霖之助は失策を悟った。
紅魔館にいる、もう一人の吸血鬼の存在を思い出したからである。




「はい、また僕の勝ちだ」
そう言って、揃ったカードを捨て場に捨てる。
ボロボロになった服をただし、少し曲がった眼鏡をクイっと上げる。
「…こんなので勝っても意味がないわ。やっぱり弾幕ごっこよ」
「だから弾幕ごっこはできないって言っただろう?」
さっきのことを思い出す。
合図と同時に放たれる無数の弾幕。
それに抵抗することもできずに命中、命中、また命中。
ボロボロになったところで、小物入れから出てきたトランプで、ばばぬきにしようと何とか説得した。
それで現在に至る。
「それに弾幕ごっこは楽しいよ」
「僕は楽しくない」
「私は楽しい」
流れが弾幕ごっこへと向かおうとしている。
それを何とか回避するために、ばばぬきの必勝法を教えることにした霖之助。
「だったらばばぬきの必勝法を教えてあげるよ」
「あなたが知ってる必勝法?意味ないじゃないの」
「まぁ、聞くだけ聞いて試してみるといい。それは…相手の顔を見ることだ」
「顔を見る?にらめっこ?あっぷっぷー」
再びトランプをするように仕向けることができた。
あとは次に負けてやるだけである。
そうすればしばらく乗り切ることが不可能ではない。そしてそのまま帰ることもだ。
霖之助はトランプを混ぜつつ、そんな風にほくそ笑んでいた。




「また私の勝ちね」
「…何でだ?」
一回だけ負けるつもりがまさかの連戦連敗に思わず首をひねる霖之助。
「あなたは顔に出やすいの。出ていないけど出やすいのよ」
よくわからない言い方で、変な癖があるのを指摘される。
「…なるほどね、よくわかった。もう一回だ」
「何回だって構わない。コンティニューが切れるまでまで遊んであげるから!」
トランプを混ぜる手を動かした。




「ふぅ、やれやれ」
壊れた眼鏡を治しつつ、昨日のことを思い出す。
あのあと何度か挑み続け、なんとか一勝した時には、すでにパーティはお開きになっていた。
自分たちもお開きにしようと言ったところ、向こうはもう一戦とせがんできが、「また今度にしよう」と言ってトランプを渡し、一人でも遊べるとあるゲームを教えてやりそそくさと逃げてきたのだ。
「はぁ、パーティは懲り懲りだ」
口ではそう言っているが、その顔には笑みが浮かんでいた。
たまにはいいかもしれない。
そんな思いがその笑みには浮かんでいた。




「何やっているのかしら?」
「トランプよ。見てわからないの?お姉様」
「わかるわよ。聞いているのは内容よ」
レミリアはトランプを指さしてフランドールに聞く。
「ソリティアとかピラミッドとかばばぬきよ」
「最後のは一人でやるものじゃないでしょ」
呆れながらレミリアは楽しそうにトランプ遊びをする妹を眺める。
「そういえばこのトランプ、どこにあったのかしら?」
「貰ったの。半分人間に」
「あら、よかったわね。もう半分は何かしら?」
「さぁ?壊れにくい人間だったわ」
「それはよかったわね」
「また今度来てくれるって」
楽しそうに一人遊びをする吸血鬼はウキウキしながら待っていた。
姉が呆れてどこかへ行っても、一人遊びを止めなかった。
また今度遊んでくれるといった霖之助を待っていた。
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