スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

桜色の句

ヤンデレ魔理沙の前に、近くの小川を歩いているときに思いついたSSを投下!

<桜色の句>

花を見ながらの散歩は楽しいですな~、もう散っちゃってますが…
ちなみにその場でとどまるときは花より団子派です。
歩いているときは花見派です。

そんなこんなで続きからでどぞー。




―――――――――――――――――――――――
陽光に照らされ、明るく、生命力あふれる桜の花びら。
桃色の風は誘われた者を飲みこむかのように目いっぱいに広がっていた。
桃色の絨毯も上質な絹のごとき輝きを放つ。
そんな桜の主である森近 霖之助は、酒を片手に静かな花見と洒落込んでいた。
ちらちら、と舞い落ちる花は、やがて小さな風に乗り、まるで誘うかのように、霖之助の杯へと流れてくる。

散り桜
 何故君を
  誘いよる

「霖之助さん。俳句でも始めたのかしら?」
「やぁ、霊夢。俳句をたしなむのも徳の高い者の証拠だよ」
「霖之助さんが徳の高い人だったら他の人は聖人ね」
いつの間に現れたのか、紅白の巫女は自分専用の杯を持って、霖之助の背後から声をかけてきた。
霖之助は別段慌てる様子もなく、紅白の巫女 霊夢に手酒してやる。
「ありがとう」といって杯を傾け、中の酒を一息で飲み干した。
「少しは味を楽しんだらどうだ?」
「あら、楽しんでるに決まってるじゃない。お酒の味を」
「風情を楽しんだらどうだ、と言っているんだが…」
そんなことを言いながら、霖之助はちびりちびりと酒を飲む。
桜色に染まりつつある酒を、花びらとともに飲み込んだ。
桜の香りが口に広がり、酒の苦みが舌を包み込む。
一緒に作った団子に手を伸ばせば空を切り、隣でおいしそうに団子を頬張る霊夢が花見を楽しんでいた。
「霖之助さんのお団子おいしいわね」
「花の魔力さ。普通の団子も花の魔力で美味くもなるし不味くもなるものさ」
「それもそうね。普通の団子みたいだし」
新しい団子を出しつつ、一番上にあった団子をひょいと持ち上げて口元へ運ぶ。
やわらかな甘味が花の魔力を借りて、より一層旨味を引き出す。
「そういえば霖之助さん?」
「なんだい?」
「普通の霧雨はまだかしら?」
花を散らす霧雨。
空の天気はまだ明るく雲ひとつない晴天である。
霖之助はその言葉の意味を、霧雨に濡れた花もまた一興という意味だと考えた。
「まだまだ先の話だね。それはそれで風情がある」
煌めく水滴に濡れる花を想像しつつ、明後日の方を向く霖之助。
しかし、霊夢の視線は別の所を指していた。
「何言ってるのよ。霧雨はもうすぐそこよ」
それを聞いた霖之助は、訝しみながら霊夢の視線を追ってみる。
そこには普通の霧雨がすごい速さで迫ってきていた。

霧雨よ
 何故花を
  吹き散らす

その白黒の霧雨に、霊夢はそんな句を詠みあげる。
霖之助はため息を吐きつつ
「それは俳句じゃなくて川柳だ」
などと言うしかなかった。
「あら、いいじゃない。そんなこと」
そんな霖之助をよそに、霊夢は勝手に花見を楽しんでいるのであった。
スポンサーサイト

COMMENTS

COMMENT FORM

TRACKBACK


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。