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取引の先

ギリギリ完成!
僕、もう疲れたよ…パト○ッシュ…
咲夜さんが買い物に来て終わるだけのSSのつもりだったというのにゆか霖SSっぽい終わり方をしている!?
だからせっかくだからタイトルも続けるような感じで


<取引の先>


よかったら<~の先>シリーズとしてみてやってくだせぇ。

――――――――――――――――――――――――――――――――
―カランカラン
「いらっしゃいますか?」
入口の扉に付けられている鈴の音とともに、お得意先のメイドの姿をした少女が顔を出して店内を覗く。
店の店主はお得意様の出現により、普段の常連とはまるで違う対応を始めた。
「いらっしゃい、頼まれた物はできてるよ」
そう言いつつ店主森近 霖之助は店の奥へといったん引っ込み、その後二人分のお茶を持ってメイドの少女十六夜 咲夜を出迎える。
「あら、どうも。いただきますね」
咲夜が受け取ったお茶を一口啜る。
その間に後ろの棚から頼まれた依頼品を取り出した。
そのまま、かかっていた布を取り外し、出てきた一振りの火縄銃を咲夜の前に置いてやる。
「これがそうですか」
手元にある火縄銃を持ち上げて、鑑定でもするかのようにまじまじと見つめる。
「そういえばお代の方は」
「これくらいでよろしいでしょうか?」
いつの間にか見慣れない箱を抱えた咲夜は依頼時に提示した料金をカウンターに置いていた。
一瞬驚く霖之助だが、常連の黒白の魔法使いに目の前の少女の能力を聞いていたためすぐに自制心を取り戻す。
「ああ、またのご来店を」
店として最後に客に言う言葉。
霧雨店で修業をしていた時に教えられてきたことであったが、店を持ってみればこれほど使うことのない言葉はない。
霖之助の店だけのことなのかもしれないのであるが。
咲夜はそれを聞いてにこやかに扉を開けて出て行った。
「あら、頼み事だけ終わらせて帰るなんてせっかちねぇ」
帰りかけだった咲夜の動きが途中で止まる。
まるで彼女の能力である、時を止める能力を自身で受けているかのような止まり具合であった。
「私はあなたのように年がら年中のぞき見するような暇人じゃないわ。当然じゃない」
ギギギ…と金属が軋むかのような音とともに、咲夜は動きを止めてきた犯人の方へと振り返る。
「あら、いやだわ。のぞき見だけじゃなくて聞き耳も立ててるわよ」
犯人八雲 紫はニヤニヤと笑いながら店の奥から這い出て来た。
その姿は布団でくるまれいた。まるで芋虫のようで情けないことこの上ない。
それを見た咲夜は、思わずがくっと肩を落とした。普段の瀟洒さとのギャップから、そちらもなかなかにシュールな光景であった。
「どうしてここの店の奥から、そんな恰好ででてくるのよ」
呆れを通り越したかのような声色で思わずそう尋ねる咲夜。
霖之助の方はと言うと呆れどころか溜息しか出ないありさまだ。
「ふふ、昨日はとても激しかったからよ」
何か含むかのような言い方でそんなことをのたまう紫。
「あら、店主がそんな趣味をお持ちとはご存じありませんでしたわ」
「事実無根だ。当たり前だろ?」
咲夜が半眼で霖之助を睨むが、霖之助自身は脊髄反射で反論する。
「いやん、昨日はあんなにも愛し合ったじゃない?」
「そんな記録も歴史も記憶もないよ」
きっぱり切り捨てると「ひどいわねぇ」などと呟きながら、近くに会った古ぼけた一振りの剣を持ち上げた。
それを見て、霖之助の顔はサァっと蒼くなっていく。
「さっさと帰るなんてつまらないわよ。少しはとっておきの商品なんかもご覧にならないかしら?」
「詐欺に遭うより早々の帰宅ね。嘘吐き者勧める品なんて買う気もおきないわ」
「あら残念。稀代の逸品だと思いましたのに」
「もとよりそれは非売品だ。知り合いに貰った大切な剣なんでね」
そう言って霖之助は紫の手から剣をひったくる。
それを大事そうに元の所に戻しながら、小さく安堵の息を吐く。
「そんなことより私が聞いてるのは、なんであなたが店から出てくるのってことよ」
「そんな恰好が抜けてますわ」
「必要ないことだと判断しただけよ」
「わかった僕が説明するよ」
一向に進まなそうな会話を進めるため霖之助が自ら説明を始めた。


青年説明中


「なるほど、それで居候と…」
「迷惑以外の何物でもないですよ」
「それはご愁傷様ですわ」
理解の早い咲夜に一通り説明が終わると、冥福を祈るような顔が霖之助に帰ってきた。
「で、これが例の弾と火薬よ」
どこから持ってきたのか紫が黒く濁った血のついた弾と霖之助が作り貯めておいた火薬を持って現れた。
咲夜はその弾を物珍しそうにまじまじと見つめる。
たかが火縄銃で大妖怪であるあの八雲紫の能力を奪うなど信じられないことでもあるのかもしれない。
「これは本物かしら?」
「ああ、本物の弾だ」
「ならいただきますわ」
そう言って代金がじゃらりと置かれる。
「不吉の象徴みたいなものだけどいいのかい?」
「ええ、珍しいものではあるもの」
咲夜はそう言ってさっさと帰って行った。
彼女の主は好事家である。珍しいものには目がないはずだ。
咲夜が出て行ったあとには、霖之助と紫だけが残された。
「ところで、あの弾は確か捨てたはずなんだけどね」
そう言って霖之助がちらりと紫を覗き見る。
「ええ、あれは確かに捨てられてるわね。でも、私の血が付いているのはあれだけじゃないわよ?」
紫は傷のついた自身の指先をなめながら微笑むのであった。
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