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価値の先

うちはエイプリルフールなんてしませんよー
ほかの方のを見て楽しむだけです。
しかしSSだけは書く!
ゆか霖リクSSの続き!


<価値の先>


それはそうと、植木さんのリンクがつながってないという報告ありがとうございます!
修正しといたんで直ってるはずです!…たぶん…


ふぅ…エイプリルフールも終わったか…

――――――――――――――――――――――――――――

「ところで、あなたはどうしてそんなもの作っているのかしら?」
まるで整理のされていない倉庫のような店内で、八雲 紫は店主森近 霖之助の持っている火縄銃を指さして聞いてきた。
「種子島」
「そう、火縄銃だ。何の変哲もない、ね」
「あら、何の変哲もなくないわねその火縄銃は」
それを聞いて霖之助は顔に疑問という字を浮かべる。
何も変哲もない普通の火縄銃をと紫を見比べてから、黒白の魔法使いの言葉を思い浮かべたりするが答えは見つからず、無意識に首をかしげて疑問の答えを紫から要求する。
「何の変哲もなくないわ。だってそれは観賞用ですもの」
紫はくすくす笑いながら答えを提示してやる。
霖之助は答えを聞いたというのに苦い顔をする。
それは
「それなら知っているよ。僕自身がそう作ったからね」
自身の得意分野を指摘されたからである。
霖之助の能力でもこの火縄銃は武器としての用途は持っておらず、観賞するための用途しか持ち合わせていない。
もとより観賞用を目的に作られた物は、観賞用としての用途しかない。
『弾が撃てる』などというのは副産物であり、より芸術性の高い作品のひとつに格上げされるだけである。
しかし、もしこれが鑑賞用としてではなく、武器として作り手以外が使い始めた場合はどうなのだろうか?。
それならば、物の価値は格下げされてしまうのだろう。物の本来の用途に合わない使い方をしているのだから。
「いえいえ、物の価値は変わらないわ」
霖之助の思考は闖入者の一言により現実へと引き戻された。
「それは作り手自身の物の価値が下がっただけ、物としての価値は変わらないものですわ」
見透かしたような瞳は霖之助を見つめ、霖之助もまたその瞳を見つめ返す。
嫌そうな顔をしながら。
「だってそうでしょう?物の用途は千差万別、物の価値は作り手が決めるものではないわよ。あなた自身がよく言っていることですわ」
―くすくすくす
笑い声が店内に響き渡る中、霖之助はその顔に不機嫌という文字を張り付けながら、ただその笑い声を聞き続ける。
紫の笑っている姿は妖艶で美しいのだが、霖之助にとっては貶されているようにしか感じない。
「ふぅ…」
だが、紫が言っていることは霖之助自身が一度考えたことでもあったのだ。
霖之助にとって、そのことが少し嬉しく感じられた。
目の前の妖怪少女は確かに長い時を生きてきた博識の大妖怪である。
つまりは、霖之助自身がその大妖怪と言うべき存在少し近づいたことでもあるのだ。
だからと言って彼女のような存在に憧れているわけでもない。
自身の一度考えたこと正しいと証明されたことによる快感である。
それが霖之助にとって一番の今日の収穫であった。
「じゃあ、じゃあはもう寝るとしよう」
「あら、まだ夜は浅いわ。もう寝るのかしら」
「生憎僕は半妖だからね。人間ほどじゃないけど少しでも休まなくてはいけなくてね」
知識を貯めて、疑問を提示し、答えを手に入れる。
それが霖之助のとって最も価値のある『物』なのだろう。
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